転職

IT業界の派遣・契約社員の実態をお伝えします

はじめに

くだもの小僧と申します。

くだもの小僧の今までのIT業経歴をお話しします。

長年、IT業界に身を置きまして、はじめのうちは正社員で、今思えば結構保証された状況にいたのですが、ある日突然、よりよい未来があると勘違いしてしまったのか退職してしまい、その後は、契約社員だったり派遣社員だったり個人事業種だったり、プロジェクトを転々としました。

プロジェクトが変わるたびに、契約元だったり派遣元だったり、所属する会社を転々としてしまったわけです。

まったく計画性のない人生設計で、できればやり直したいと思いますけれど、もしやりなおしたら、もっと辛い人生になるかも知れないと思ったりもします。

こういうのを「認知的不協和」と言うのでしょうか。ちょっと違いますかね。

結局、過ぎたことは戻せないのですから、将来のことに目を向けるしかないですね。

自分の人生は終身雇用で終わるのだと思っていました

くだもの小僧は今思えば、若いころは、のほほんとしておりました。

この時点で、問題がありましたね。

でも、ITスキルの習得には、いつも心がけていました。

そうすると、ITスキルのほとんどない人が、課長や部長という肩書で、現場には全く現れずに、聞いたような口を利くことに非常に違和感を感じていました。

マネジメント力も全然ない人たちが多かったです。

でも、組織が大きくなると、そういう人たちがのさばれる世界が出来上がってしまうのですね。

と言うことで、終身雇用で人生終わるのだと思っていた、のほほんとした世間知らずが、向こう見ずにも退職してしまいました。

転職人生

くだもの小僧も、最初のうちは別の会社に正社員として就職し、そこで永らく勤めようと思っていました。

しかしながら、最初に声をかけてくれた会社から「ここはどんなに高くても40万円までしか出ないから、そのつもりで。」と言われまして、なんだか将来性がないような気がして断ってしまいました。

その後も、正社員を目指しましたが、生え抜きの社員と違って、パフォーマンスが悪いと思われると、簡単に切られてしまいました。

「〇〇さんは、ちゃんと機能していたと思いますよ。」
と言ってくれたプロバーの方もいらっしゃたのですが、くだもの小僧は人付き合いが下手なので、責任を押し付けられたり、悪く言う人もいて、結局、契約社員や派遣社員を転々とすることになりました。

「そういうのって、よくあることだね。」と他人事であれば平気で言えるのですが、自分事だと一大問題ですね。

3次請け、4次請け(もしかして5次請け)だとこんなふうになります

顧客から仕事を請けるとき、元請けだといいのですが、3次請け、4次請けとなると、当然ながら間で結構抜かれますので、もらえる賃金が低くなります。

下記の話はくだもの小僧の実話です。

『派遣元の営業と待ち合わせ場所で落ち合って、相手の営業と路上で挨拶して、それから派遣元の営業は「よろしく」と言って、帰りました。
「ああ、この人が面接場所に連れて行ってくれるのだな。」と思って、その2番目の人に今度のプロジェクトについて少し立ち話をしておりますと、また別の人が現れて、2番目の人は「よろしく」と言って帰ってしまいました。
結局この3番目の人が面接についてきてくれたのですが、2番目の人は何だったのだろうと思ってしまいました。
何だろうって、完全に中抜きの人ですね。くだもの小僧は、契約社員・派遣社員の世界に漬かっていたその時ですら、それくらいうっかりしていました。
結局その時は4次請けだったのか、5次請けだったのか。
面接してくれた人も、元請けでは無かったです。』

こういう3次請け、4次請けの現実にあうたび、宮沢賢治の童話「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」を思い出してしまいます。

「青空文庫:ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」より抜粋
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「巡査さん。それはひどいよ。僕はいくらお金を貰ったって自分で一銭もとりはしないんだ。みんな親方がしまってしまうんだよ。許してお呉れ。許してお呉れ。」
ネネムが云いました。
「そうか。するとお前は毎日ただ引っぱり廻されて稼がせられる丈だな。」
「そうだよ、そうだよ。僕を太夫さんだなんて云いながら、ひどい目にばかりあわすんだよ。ご飯さえ碌に呉れないんだよ。早く親方をつかまえてお呉れ。早く、早く。」今度はそのいやなものが俄かに元気を出しました。
そこで
「あの車のとこに居るものを引っくくれ。」とネネムが云いました。丁度出て来た巡査が三人ばかり飛んで行って、車にポカンと腰掛けて居た黒い硬いばけものを、くるくるくるっと縛ってしまいました。ネネムはいやなものと一緒にそっちへ行きました。
「こら。きさまはこんなかたわなあわれなものをだしにして、一銭のマッチを十円ずつに売っている。さあ監獄へ連れて行くぞ。」
親方が泣き出しそうになって口早に云いました。
「お役人さん。そいつぁあんまり無理ですぜ。わしぁ一日一杯あるいてますがやっと喰だけしか貰わないんです。あとはみんな親方がとってしまうんです。」
「ふん、そうか。その親方はどこに居るんだ。」
「あすこに居ます。」
「どれだ。」
「あのまがり角でそらを向いてあくびをしている人です。」
「よし。あいつをしばれ。」まがり角の男は、しばられてびっくりして、口をパクパクやりました。ネネムは二人を連れてそっちへ歩いて行って云いました。
「こらきさまは悪いやつだ。何も文句を云うことはない。監獄にはいれ。」
「これはひどい。一体どうしたのです。ははあ、フクジロもタンイチもしばられたな。その事ならなあに私はただこうやって監督に云いつかって車を見ている丈でございます。私は日給三十銭の外に一銭だって貰やしません。」
「ふん。どうも実にいやな事件だ。よし、お前の監督はどこに居るか、云え。」
「向うの電信柱の下で立ったまま居睡をしているあの人です。」
「そうか。よろしい。向うの電信ばしらの下のやつを縛れ。」巡査や検事がすぐ飛んで行こうとしました。その時ネネムは、ふともっと向うを見ますと、大抵五間隔きぐらいに、あくびをしたりうでぐみをしたり、ぼんやり立っているものがまだまだたくさん続いています。そこでネネムが云いました。
「一寸待て。まだ向うにも監督が沢山居るようだ。よろしい。順ぐりにみんなしばって来い。一番おしまいのやつを逃がすなよ。さあ行け。」
十人ばかりの検事と十人ばかりの巡査がふうとけむりのように向うへ走って行きました。見る見る監督どもが、みんなペタペタしばられて十五分もたたないうちに三十人というばけものが一列にずうっとつづいてひっぱられて来ました。
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宮沢賢治は、明治から大正にかけて生きた童話作家、詩人です。享年37歳です。
数多くの作品を作りましたが、それが評価されるようになったのは、賢治の死後です。
ほとんどの日本人が、賢治の作品にどこかで触れていると思います。

賢治は下請けの実態を把握していたのですね。しかも作品で見事に描写しています。
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転職事業は大事

転職を何度もするものにとって、転職を支援してくれる業者は大事だと思います。

転職業者が、就職先を探す者に本気で寄り添ってくれるかで、その人の人生が変わるかも知れません。

正直言って、ハローワークは木で鼻をくくったような対応をする人がいるので、心が落ち込んでしまいます。
お役所仕事だからでしょうかね。
実際は、多くの人は役所の公務員ではなく、派遣業者ですね。

でも、ハローワークは、人を求める側としては費用が掛からないですね。
そういう人たちの間でマッチングがうまくいけば、雇用の改善に役立つのですが。

正直な話、日本では年齢差別が事実上ありますので、転職業者がそれを跳ね返せる力があれば、雇用は改善されると思います。なかなか難しいとおもいますが。

「休まない、遅刻しない、働かない」従業員が多いとどうなるのか

最初の転職前と、それ以降とでどちらの方が沢山勉強したかと言うと、圧倒的に後の方です。つまり、若いころより年取ってからの方が沢山勉強しました。

就業の流動性が米国並みに確保されれば、日本人の働き方は今以上に変わると思いますが、現実は、未だに終身雇用制にしがみつく人が多いと思います。特に年配者は(当然ですか)。

実際、転職しない方が有利になる可能性が高いと思います。
大企業に就職できれば、地位的(元請けとか一次請けとか)にも収入的にも有利になる確率が高いですし、転職はリスクを伴いますから。

パレートの法則というものがありますね。
2割の従業員が8割の売上を上げているというものです。
後の8割の従業員は2割の売上しか上げていない現実です。

会計を教えてくれた公認会計士の先生が、「現実は2:8ではなく、1:9だ。」と言われていたのを覚えています。

寄らば大樹の陰ですね。
くだもの小僧も転職してなかったら、そっちの側に回っていたかも知れません。

でもこれからの時代、日本はそれでよいのかどうか。
「休まない、遅刻しない、働かない」サラリーマンが多数いたらどうなるのか。

リスクを取って起業したり、転職したりされる方々に、良き未来があることをお祈りいたします。