目次
ドラッカーの名言
くだもの小僧と申します。ずっとITの業務系の現場で働いてました。
いきなりですが、ドラッカーの名言を載せます。
「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの 企業家的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。
マーケ ティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである。」
ドラッカーはたくさんの名言を残しましたが、上記はくだもの小僧が、一番印象に残ったものです。
「もしドラ」が日本でブームになりドラッカーも改めて有名に
ピーター・ドラッカーは岩崎夏海という作家が書いた「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本がヒットして、改めてドラッカーの名が日本中で有名になりましたことは、多くの方がご存じのことと思います。
この本は、マンガ、アニメ、映画にもなり「もしドラ」と縮めて呼ばれることが多いです。
(もしもドラえもんが家に1台いてくれたら・・・)
ドラッカーは2005年にお亡くなりになっています。生年は1909年です。長生きです。「もしドラ」は2009年に発売されています。
ピーター・ドラッカーと言う人
ドラッカーの肩書は経営学者です。学者さんですね。企業家ではないですね。
で、企業家は経営を行う人ですね。社長さんとか。個人事業主とか。
企業家が学者のドラッカーから経営の教えを乞うているのです。
(『俺は学者の手なんか借りねえよ!』でやっていけてる社長さんは立派です。)
ドラッカーの父親はウィーン大学教授で、裕福な家庭でした。そしてドラッカーが若い頃、父親の交友関係により、心理学者のフロイトや経済学者のシュンペーター(すごく有名な人たち)とも交わりを持っています。
ドラッカーは初めのうちは新聞記者になりましたが、退職してイギリスに渡り投資銀行に勤め、その時に経済学者ケインズ(これも有名な人)の講義を受けています。
ドラッカーは、さらにアメリカに移住し、大手自動車メーカーのゼネラルモーターズからの依頼により作成した「会社という概念」というレポートがベストセラーになりました。
レポートがベストセラーになるというのがよく分からないのですが、事実そうなったのです。
そしてドラッカーは大学教授を歴任し、「マネジメントの発明者」と言われるようになりました。
ドラッカーの名言を少し考察してみる
冒頭に紹介したドラッカーの名言ですが、何だかかっこ良い言葉だなとは思いますが、よくよく考えてみると、意味が明確には分かってません。
「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの 企業家的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。
マーケ ティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである。」
考察と言っては大げさですが、ひとつ考えてみたいと思います。
ドラッカーは、企業の目的は顧客の創造であると言っています。
そして、企業家のすべき仕事は、マーケティングとイノベーションである、と言ってます。
また、マーケティングとイノベーション以外は、すべてコストであると言っています。
顧客の創造とは
創造主ではないのだから、人を創造するわけにはいきません。
人自体は既にいます、あるいはこれから生まれてきます。
顧客を市場という言葉に置き換えてみると分かりやすいかも。
人がどのようなニーズを欲しているかを考えてみます。
例えば、
視力が悪くなったので、自分に合ったメガネを手軽に入手したい、
健康に良くて美味しい食事を欲しい時に提供してほしい、
いつまでも若々しくいたいので、シミやしわをなくしたい、
金持ちになったので、人がうらやむような自動車に乗りたい、
などなど、人は自分を良い状態にしたいと思うものです。
一例として、視力を良くしたいと思っている人がいるとします。
でもメガネのフレームにはこだわりたいとか、
メガネよりもコンタクトレンズにしたいとか、
いっそのこと手術で視力を良くしたいと思っている人がいます。
そういったニーズに応えることによって、顧客が創造できることになります。
他の例も書こうと思いましたが、長くなるのでこの辺で止めておきます。
マーケティングとは
マーケティングと販売とはどう違うのでしょう。
マーケティングとは、『売れる仕組みづくり』とよく言われます。
この言葉が一番しっくりくると思います。
では、『売れる仕組みづくり』はどうすればできるのでしょうか。
ここで、教科書的な内容になってしまうのですが、マーケティングには4つの要素があると云われます。
英語の頭文字をとって4Pとよく言われます。
商品 (Product)
価格 (Price)
販売促進 (Promotion)
場所 (Place)
Productはモノだけではなく、サービスも含まれます。
Priceは安ければよいというわけではない場合があります。昔、非常に安い化粧品が売れなかったということがあります。モノは良かったのですが、高級品を使っているという見栄が勝ったのですね。
Promotionは実演販売や、クーポンとか、テレビショッピングとか、Web広告とか、チラシとか、ダイレクトメールとか色々ありますね。
Placeは流通と考えると分かりやすいと思います。
これら4Pを組み合わせて、売れる仕組み作りを行うのをマーケティングミックスと呼びます。
イノベーションとは
イノベーションとは何でしょうか?
イノベーションとは「革新」とか「刷新」とかと捉えてしまうと、今よりも何か別の素晴らしい方法を見つけなければいけないと考えてしまいます。
ドラッカーは企業家の仕事は、「マーケティングとイノベーション」と言っているわけですが、何か別の素晴らしい方法なんてそう簡単にありません。
少しの工夫でも、しっかり行えばイノベーションになると思います。
宣伝の見出しを変えただけでも、売り上げがアップするかもしれません。
従業員の作業効率を上げても、売り上げがアップするかもしれません。
営業員のモチベーションをアップさせたら、きっと売り上げがアップするでしょう。
それ以外はすべてコスト
マーケティングとイノベーションは成果をもたらすものです。
しかし、コストは利益の逆ですから、できるだけ少なくすべきものであります。
なぜなら、成果をもたらさないものですから。
しかしながら、世の中にはコストを大事にしたがる経営者や管理職が多いです。
勤怠管理とか、スケジュール管理とか、計数管理とか。
優先順位が逆ですね。
そしてそういう後回しで良い管理を、自分の最重要作業としているマネージャーが多いのです。
だから業績が上がらないのです。
ドラッカーの言う『マネジメント』はそれとは違うものです。
日本には『マネジメント』のできないマネージャーがどれだけいることか!
終わりに
偉そうなことを色々書いてしまいましたが、くだもの小僧は経営をしたことがありません。
(『なんだ、机上の空論かよ。』→むむっ、その通りですが何か?)
現場で働いていて、こんな経営者や管理職はダメだなと思うことは多々ありましたが。
くだもの小僧もいつかは経営できないかなと思います(もう遅すぎかも)。
世の中には、理屈なんか知らなくても、感覚的に経営が分かる人たちがいますね。才能と言いますか何というか。